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1970年代に大きな反響を起こした三菱の名車・ギャランGTO

コルトギャランが進化して誕生したハードトップクーペ・ギャランGTO

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1969年に斬新な4ドアセダン・コルトギャランが誕生した。そこから新たなハードトップクーペとなるギャランGTOが生み出され、幾度かのマイナーチェンジを行って1976年まで続いた。ちなみに名前に使われているGTOは、イタリア語で「GTレース用ホモロゲーションモデル」という意味。

モーターショーへ出品してとうとう発売に至った時は、コルトギャランGTOだった

初代ギャランGTOは1969年に行われた秋のモーターショーで展示されて、従来通りのコルトとは違う特徴をアピールした。それらはサターンと名付けた軽量OHCエンジンを搭載、ダイナウエッジラインというクリーンでシャープな外観や、77項目もある安全対策に配慮したことが当てはまり、多くの人から注目を集め発売から1か月で3339台を売り上げた。

2018年には新型SUVエクリプスクロスをラインナップ

大容量エンジンを搭載するロングノーズボディとスポーティーな美しさを融合させた

今回紹介するギャランGTOは前方のボンネットが長いロングノーズを生かしているが、全体にスポーティーな線が行き届いているようにも感じる。もちろんボンネットの中には高性能に仕上がるように三菱自動車初のDOHCエンジンを搭載していることも忘れずに。

12月にイメージリーダーとなるMRが登場した

1970年にコルトギャランGTOが発売されたが、よりイメージを向上させるために「MR」も同じ年に発売された。こちらにもサターンエンジンが搭載され、駆動に欠かせない部品の強化も行われた。125ps/6800rpmで最高速を誇り、DOHCフラッグシップモデルとして認められた。

排気量にゆとりを持った17-Xシリーズにマイナーチェンジ

1972年になると排気量を100cc上げたエンジンを載せて17Xシリーズを開発した。これにはオートマチック車も加わり、外側や内側は共に重圧感が出るようなものとなった。種類はベーシックグレードの「XI」やレギュラーガソリンとプレミアムガソリン仕様が選べる「XII」の2種類があったが、以前発売された三菱の強い戦力だったMRは、17-Xに押されたり排出ガス規制により廃止になってしまったが、「ニューギャラン」という車で再び世に登場する。

ギャランGTOを開発した三菱はデリカD5をマイナーチェンジ

再びマイナーチェンジを行ってGTO2000へ突入した

翌年の1973年、アストロンエンジンに変更するマイナーチェンジを行って「ギャランGTO2000」が登場。車種構成は6種類に増え、オートマチック車もあり外側も大幅に変えて安全性もより強くしたのでまさに高級感と最先端を兼ね備えていると実感できる。しかし新たに出された排出ガス規制によって、全ての車のトランスミッションは5速に統一せざるを得なくなってしまった。

弟分のような存在となるギャランクーペFTOも登場

ギャランGTOが活躍している1971年には、ギャランクーペFTOが生産された。コンセプトは「軽快なクーペ」を掲げており、80以上の馬力を出すネプチューンエンジンが搭載され、その他のメカニズムはコルトギャランから受け継いでいる。さらに自動車部品の一つであるフェンダーも特殊なものになってますますFTOはスポーティーだというイメージが定着した。

三菱・ランサーセレステに進展するとコンパクトなボディに大排気量が加わった

ギャランクーペFTOを受け継ぐ車として、ランサーセレステが開発された。なおランサーは三菱特有の車で、そこにラテン語で青い空という意味の「セレステ」という単語を付けて「機能と美を調和させた車」を目指している。外側のカラーは社名通りの青や明るい黄色が使われて、いかにも清々しくて快活なイメージを醸し出していることが伝わる。その上マイナーチェンジによって105馬力を発揮するエンジンが加わってヘッドランプやバンパーも大幅に変えられて、若い人を中心に人気を集めた。

製造が終わってもその勇ましさはギャランΛ・Σが受け継いだ

三菱の業績に貢献したギャランGTOは、幾度となくマイナーチェンジが行われたが1976年にサイドプロテクターが備わった最終型を製造し、もう1977年に生産を終了してしまった。ちなみにギャランGTOのみでの生産台数は輸出を含めて95720台に達し、三菱自慢の2ドアカーを大いに賑わせた。そしてギャランはこれで完全に終わったわけではなく、SOHCエンジンを搭載して2代目まで続いたギャランΛ(ラムダ)、駆動方式がFF(前輪駆動)で4種類のエンジンがあるギャランΣ(シグマ)が登場した。どちらもギャランそのものの特徴をしっかりと把握して、進展していることが伺える。

41年の時を経て、思い出がたくさん詰まったギャランGTOが譲渡されたこともある

新車で購入してから41年経っても、三菱ギャランGTO-MRに乗っていた71歳の男性がいる。もう高齢になってあまり乗らなくなってきたから、古い車を好む人に譲ろうと決意した。インターネットで検索してみるとギャランの愛好家クラブが見つかり、そこにメールを送ってみると快い内容の返事が届いた。そして愛好家の一人であるまだ若い男性がそのGTO-MRを見て、「あの名車が今でも生きているなんて・・・」と感動した。もちろんGTO-MRには運転者とその家族の思い出がたくさん詰まっているので、ナンバープレートは一切変更せず、ボンネットの中にある古いエンジンを新しいものに変えるだけで、新しい持ち主となる愛好家の元へ譲り渡された。