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日産・サニーを発展させて開発したステーションワゴン・サニーカリフォルニア

まるでリムジンのような長さを持つサニーカリフォルニア

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日産自動車自慢のセダン車・サニーはクーペ、バン、エクセレント、ハッチバックなど多岐に渡っているが、ステーションワゴンに分類されるカリフォルニアも忘れてはならない。この車の特徴は通常のセダン車より車体が長く、荷物をたくさん積めることができ、さらにはアウトドア活動に打ってつけとも言われている。なおプラットフォーム(土台)は普通のサニーと共有しているが、ボディ全体がなかなかおしゃれにまとまっているのが唯一の特徴。

5ドアハッチバックセダンとして発売されていた初代は、サニーの進展を担った

1979年に誕生した初代カリフォルニア・B310型は、サニーシリーズの中で初めてステーションワゴンの役割を果たした。しかし厳密にいえば5ドアハッチバックセダンに分類されるが、エンジンを積むフロントノーズをまっすぐではなく少し斜めにして、当時はやっていた四角形のライトを正面に取り付けた。気になるエンジンは直列4気筒OHV、EGI仕様1488ccで、ボディの外観は黄色と木目調の柄が付いたウッドパネルを融合させたものもある。

初代カリフォルニアが誕生する9年前の1968年に販売しているハコスカとは?

駆動方式及びエンジンを変更し、タイミングベルトを取り入れた2代目

今までは後輪駆動(FR)だったが、1981年2代目・B11型に変遷すると前輪駆動(FF)に変わり、エンジンも4ストローク機関・OHVのA型系から新たに開発したSOHC8バルブエンジン・E型系1300 ccに変更され、いくつもの部品が組み合わさっている軸・カムシャフトにはタイミングベルトを追加している。この当時は日産が誇っていたダットサンを完全に廃止して、「日産」ブランドへ統一することを固く決めた。さらに翌年になると初めてディーゼルエンジンを採用し、61馬力を発揮できるようになった。その後もいくつかマイナーチェンジが行われ、より上級モデルに近づいた。

またの名をトラッドサニーとも言う3代目は、フルオート・フルタイム4WDも追加

とうとう1985年で3代目・B12型に突入した時は、「トラッドサニー」という愛称が付き、今度はボディ全体に直線を生かしてシャープな印象を作り上げた。室内はリクライニング機能が付いたシートが備わり、荷物を積むラゲッジスペースは今までより容積が小さくなっている。エンジンはガソリンとディーゼルの2種類があって、サスペンションはパラレルリンク式ストラット/コイルの独立懸架に変更された。さらにフルオート・フルタイム4WDやトリプルビスカス式4WD車も追加され、より長距離を走れるワゴンモデルに進展したことが伝わってくる。

4代目はSUVでよく見られるハッチバック式の形状になっている

平成になってから間もない1990年に、4代目・Y10型が登場した。今度の形状は今までを覆すかのような、現在主流になっているSUVハッチバックとほぼ同じになっているのが特徴。さらにエンジンはDOHC・キャブレターのGA15DSに絞られ、4WD形式もそのまま受け継がれている。マイナーチェンジによってバンパーなどのデザインを変え、軸の回転数を示すタコメーターも備えられ、衝撃吸収ステアリングパッドを取り入れたことでますます独自の性能を確立した。最高出力が94psから105psに上がり、全車に運転席SRSエアバッグを標準装備したことも進展へと繋がり、1996年に生産・発売を終了して17年間も続いた歴史に幕を下ろした。

サニーカリフォルニアは、同じステーションワゴンの日産・ウイングロードに受け継がれた

あれだけ発展して名を馳せたサニーカリフォルニアは、1996年に終了してしまっても同じく日産で開発したADワゴンと統合して「ウイングロード」というステーションワゴンへ生まれ変わった。これもボディデザイン全体が大きくがらりと変わり、今まで縮小していたラゲッジスペースが大きくなって、駆動方式もフロントとリアで異なるサスペンションを取り入れ、4WDの要素も加えた。ちなみにウイングロードは初代から3代目まで継続され、パワートレインはSR18DE型、GA15DE型の各ガソリンエンジンとCD20型ディーゼルエンジンの3機種があるエンジンから、直列4気筒DOHCガソリンエンジンで、QG15DE型、QG18DE型、可変バルブリフト及びバルブタイミング機構、直列4気筒DOHC 1.5L HR15DE型、および1.8L MR18DE型へと変遷していった。しかし2018年にはCOBBYで取り上げられた通り、残念ながら生産終了した。

サニーカリフォルニアの後継ウイングロードも2018年に生産終了になってしまった。

生産販売されていた当時は、このようなオリジナルカスタムで楽しんでいた

サニーカリフォルニアはそのまま乗っても構わないが、自分好みにパーツを加えてカスタムしても悪くない。パーツは主にホイールやフロントリップ・ハーフスポイラー、ヘッドランプが挙げられるが、中にはLEDやエアロパーツを付け加える人もいる。

当時その車を愛用していた人は、こんな感想を述べている

今では殆ど姿を見なくなったダットサン・サニーは当時乗っていた人たちに強い印象を与え、たくさんの思い出を与えた。バブル景気の頃に購入して気が付けば7万キロも駆け抜けていた、結婚してしばらく経ってから購入して、家族でお出かけする時に使っていた。広い車内にたくさん荷物を積めることもできた。などこんなに思い出が発表されている。